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Emerson solo :エマーソン北村

2017.02.05 Sun @千駄木 古書ほうろう
エマーソン北村を聴きながら、本を探したり立ち読みしたり

千駄木の古書店「古書ほうろう」さんで、新しい試みをします!
古書店さんで普段通り本を見ていただきながら、北村が演奏をしているというものです!
北村セレクトの本のコーナーも作って下さるとのこと、さてどうなるか、楽しみです!
古書ほうろうさんのイベントページはこちら。
 
北村と古書ほうろうさんの出会いは、北村が単に散歩していて「HORO」という看板に引かれて入ったことから。僕は本屋さんを物色する時は基本的に「エマーソン」をシャットダウンしているのでその時はお店の方とは何も話さなかったのですが、その時見つけた「かぜがたみ」というミニコミが後にエマソロと関わりを持つ滋賀県彦根市の半月舎の方の作品だと分かったり、とにかく品揃えが面白くて、フライヤを置いていただくようになり、CDを置いていただくようになり、と次第に厚かましくなっていったものです。
 
今回のライブはもちろん「ロックンロールのはじまりは」に関連したものですが、ほうろうさんがこのライブについて書いて下さった文章が素晴らしく、ライブだけでなく「ロックンロールのはじまりは」の紹介文としてもこれ以上ないものだったので、以下、その文章をそのまま載せさせていただきます。
 
「エマーソン北村を聴きながら、本を探したり立ち読みしたり」
 
 日にち 2月5日(日)
 時間  15~16時/17~18時
 出演  エマーソン北村(キーボード・ソロ)
 会場  古書ほうろう(文京区千駄木3-25-5 電話:03-3824-3388)
 料金  入場無料(投げ銭制)
 
エマーソン北村さんの新譜『ロックンロールのはじまりは』の発売を記念して、店内でライブを行います。本屋でのライブも最早特別なことではなくなりましたが、今回は、単に本屋で、というライブとはちょっと違います。
 
まずひとつ、このアルバム自体が「本」をイメージさせるものであること。思わず「装丁」と言ってしまいたくなる手触りのある紙のジャケット(デザイン:惣田紗希)。そして音楽とともに収録された書き下ろしの長い文章。「ロックンロールのはじまりは、白木の棚に並べられた本たち。」という一文ではじまるこのテキストは、かたちこそ「本」ではありませんが、「本」の持つ力と、人の心と志についての、いままさに読まれるべきもの。ひとつひとつの音を丁寧に組み立て作られた六つの曲は、それぞれに独立したものですが、繰り返し読みかつ聴くことで文章と音楽が結びつき、そこからエマーソンさんの声が聞こえてくるような、そんな作品です。
 
そして、そんなふうにこのアルバムが自分に染みこんでいくうち、いつもとは違ったライブの光景が浮かんできました。それは「普段通りの営業をしている古本屋の片隅でエマーソンさんが弾いている」というもの。椅子に座って聴き入る人もいれば、書棚の前で画集を眺めているお客さんもいる。均一棚の背表紙をひたすら追う初老の男性。何も知らずに来店された家族連れが、演奏を耳にしながら絵本を選んでいたり。さまざまな仕掛けが施されたエマーソンさんの音楽は、じっくり向き合ってこそ聞こえるものもたくさんありますが、今回はもっとゆるやかに、店の空気とひとつになったその演奏を、本と一緒に感じてもらえたらと考えています。
 
エマーソンさんといえば、そのルーツであるスカやロックステディのような、軽やかで踊りだしたくなるようなものをまず思い出します。今回のアルバムだと「帰り道の本」のような。こういう曲をかけると、ほんと店の空気が変わるんですよね。心なしかお客さんの財布の紐も緩んで。でも、それと同時に、もっとミニマムで静謐な曲もあります。アーヴィング・バーリンのカバー「リメンバー」などはまさにそうで、こういった演奏が店内に満ち溢れたとき、なにか本と人とのミラクルな出会いが起こるような、そんな気もしています。
 
二十歳の頃、いつも一緒にいた友人がトマトスのファンで、その流れでエマーソンさんのことを知ってから、はや四半世紀。ボブ・マーリーぐらいしか知らなかったぼくを、魅惑のジャマイカ音楽に導いてくださった恩人ともいえる方に、自分の店で演奏していただけるなんて本当にうれしいです。みなさんにもぜひ、古今東西の音楽のエッセンスが詰まったエマーソンさんの世界を体験していただきたいです。
(演奏中の出入りも自由ですので、ちょっとでも興味の湧いた方は、お気軽に。そして、もしぐっときたら、投げ銭のほうもどうぞよろしく。)
 
なお、当日は、エマーソンさんに選んでいただいた本(「折りにふれ思い出したり、手に取ってしまったりする本」)のミニコーナーもつくり、販売します。そちらもぜひお楽しみに!