Column

2023.09.14 Thu

COVERS 2003 について(1)2003年について

2023年10月11日(水)にリリースされる 僕の COVERS 2003 について、リリース日までの間、思いついたことを書いていこうと思います。試聴や購入の参考にしたり、聴いてからこれを読んでさらに楽しんでいただけたら。

まず、今回のカヴァー集を作った2003年ころ、僕は何をしていたかです。この時まだ「エマソロ」という言葉はありませんでした。これ以前にもエマーソン北村名義の一人録音音源はいくつかあるのですが、自分で曲を書き、制作からライブまでひとつの意思をもって進めるという意味での「ソロ活動」は、この時点では行っていませんでした。
「ミュージシャン」としてのエマーソン北村にはふたつの活動があって、ひとつは「エマソロ」やコラボ、つまり曲作りからリリースまで関わって進めるいわゆるアーティスト活動。それから、他の方の曲にキーボードで参加したりアレンジやプロデュースをする、通常の意味でのミュージシャンとしての活動。僕にとっては、割く時間のバランスはその時によっていろいろでも、このふたつはどちらがメインということなく、あくまで両方で「エマーソン北村」の活動をなしていると思っています。

COVERS 2003に収録された音源を作った2002~2003年頃は、今と比べれば他の方とセッションをする時間の方が圧倒的に多く、自分で曲を作るということもあまりなかったのですが、たまたま2002年に、後のエマソロにつながるような音楽の作り方と、他のアーティストの活動とが交差するようなできごとがありました。そのひとつは EGO-WRAPPIN’ のアルバム「Night Food」に、エゴのお二人と僕だけで演奏した「5月のクローバー」が収録されたこと。それから、UKのアーティストHERBERTのリミックスEPに(僕の場合はリミックスではなく再構築というか、要するにカヴァーですが)参加したことです。これらのトラックで僕は、今回のCOVERS 2003と同様、足鍵盤付きのオルガンとTR-808とで「一発録り」を行っています(そもそもなぜこのスタイルなのかということも、おいおい書きたいです)。

そんな流れが背景としてあって、翌2003年に「ソロ」の7インチを作ろうというお話が浮上してきました。次回はその、今回の収録トラックのオリジナルリリースである7インチについてです。

HERBERT “addiction” EP のステッカー。自分用の書き込みあり。