まず最初に、オリジナル音源である2003年にリリースされた7インチを買ってくださった皆さんに感謝します。また二十年前、この7インチをきっかけとして僕を初めてライブに呼んでくれた方が何人かいて、その多くは今でも、ライブに呼んでくれてはいろんな話を聞かせてくれます。このお付き合いは何にも代えがたいもので、一番に感謝しています。7インチを持っている方の多くは、自分のコレクションの希少価値が下がるにもかかわらず、COVERS 2003のリリースに対して好意的な反応をしてくれました。 これもありがたいことです。そしてオリジナル音源の再リリースを認めてくれた Small Circle of Friends と当時のスタッフ、今回のリリースに関わったデザイナー、カッティングエンジニア、ディストリビューションスタッフの皆様に感謝します。
オルガンは、鍵盤が三段揃った状態が正式で、それぞれアッパー/ロワー/ペダルと呼ばれる。ペダルはいわゆる足鍵盤。なぜピアノは一段なのにオルガンは三段も必要なのかというと、オルガンは鍵盤を押さえただけでは音量も音色も変化がないので、例えばピアノではコードとメロディを同時に弾くときはタッチの変化でそれぞれに合った音量音色を表現するけど、オルガンではあらかじめメロディ用とコード用に作った音色を別々の鍵盤に振り分けておくことでしかそのバランスを表現できないから。それぞれの音色はオルガンの内部でひとつにまとめられてスピーカーなどに送られる。鍵盤がいくつあってもそれらは一つの楽器としてダイナミクスをコントロールするために使われる。これがオルガンの考え方で、その考え方を数台のキーボードに対しても拡げたのが、僕の発想のもとになっている。このことはあまり指摘されたことはないのだけど、唯一、UKのマンチェスターで mmm with エマーソンのライブを行った時、お客さんから「あなたのキーボードプレイはシンセを使っているけど、オルガンが基本ですよね」と正しく指摘された。さすがマンチェスター、音楽わかってる。